A-company

何事も前向きに。人生はアップデート。

普通と決めつける異常。

【読書記録※ネタバレ注意】

タイトル:コンビニ人間 著者:村田沙耶香

 

「あるある、こういう人もいるよなぁ」という感想が最初に浮かんだ。

 

けどその時点で私もこの本の中に出てきた、主人公の友人の旦那のような「ヤバ。」と嘲笑う側の人間であることを突きつけられた感じがして、心が重たくなった。

 

朝井リョウの「正欲」を読んだときも似たような感情を抱いたが、多様性という言葉が当たり前になりつつも、結局は多様性を「認める側」と「認めてもらう側」という主従のような関係があって、その境界線を逸脱するほどの存在に対しては「異常」という烙印を押す。

その烙印を押されないために、そっち側の人間は必死になってその部分をひた隠して生きている。

 

特に日本人は周りを気にする性格が強い(かくいう私もそう)ので、長いモノに巻かれておけばオールOK!安心安心!という文化はそう容易くは無くならない。

普通=大勢の人がやっていること。その思考で物事を考えてしまう。

集団行動を得意としてきた中で致し方ないところではある。

 

だが、それでは大きなイノベーションも起こらなくなる。

ぜひ小さいうちからこういった本を教科書として理解を深めるような日本社会になればいいのにと思う。