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人の記憶と戦争の話

このお盆の時期はNHKなどで太平洋戦争のドキュメントが流れる。

 

終戦記念日に合わせて戦争という悲惨さと、二度とこんな悲劇を繰り返さないためのメッセージを伝え続けるためのものである。

 

もちろん私も戦後から今日まで続く平和な日本に生かされている身として、平和の伝承はとても大切なことだと感じる。

 

その一方で、その体験そのものを伝え続けることの難しさも感じている。

 

例えば、私は今年31歳で物心ついた時にはコンクリートで舗装された道路が当たり前だった。

 

それが当然私の両親の代となると、そんなわけはなく舗装のない道を歩いて学校へ通っていたという話である。

 

しかし、じゃあその当時見ていた景色と今の発達した景色を見比べてそのギャップに感動を覚えているかというと、そうでもない。

 

むしろ徐々に変化する謎解きのごとく何事もなかったかのように馴染んでいるそうな。

 

つまり、変化の真っ只中にいた当事者ですら、その記憶はより便利・豊かな生活がやってくると簡単に上塗りされてしまうのである。

 

もちろんそんなに日常と戦争の記憶は全く別物であるのは百も承知であるが、

 

その戦争に関する体験談はどうやっても、今後は自分ではない誰かの体験を伝承していかねばならない。

 

そこに難しさを感じずにはいられない。

 

焼け野原からの絶望からなんとか復興をして立ち上がることを、五感をフルに使って経験した人と

 

その話を真剣に聞いて感銘を覚えた人とでは記憶の残り方が違う。

 

人は今の生活が心地よければ、都合よくその心地がさも当たり前であったかのように捉えてします。

 

それを念頭に置いた上で、戦争と平和を考えていかねば。